<<米田主税 履歴>>

最終更新日:2016年12月23日

米田 主税 YONEDA Chikara
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1973年生まれ 神奈川県横浜市在住
1997年  多摩美術大学 美術学部絵画科(油画専攻)卒業

主な個展

1999年 ガレリアラセン(国立)
2005年 青樺画廊(京橋) 同じく06、07、08、09、11、12年

主なグループ展

1995年 二人展/ギャラリー光彩(町田)
1999年 牧神アンデパンダン展/牧神画廊(銀座)
1999年 国際インパクト・アート・フェスティバル/京都市美術館
2000年 ARTEX TOKYO 2000/東京国際フォーラム
2004年 Work3000/青樺画廊(京橋)
2007年〜2016年 Continue 再会展/青樺画廊
2008年 雑司ヶ谷ラビリンス展/三愚舎ぎゃらりー
2012年〜2016年 齣展/東京都美術館


<<私と制作について>>

米田 主税

最終更新日:2012年6月

 私の作品は、誰もが共感し称賛するようなものではない。何故このような絵を描くのかと問われると、一言では表せない。中学生の頃から、歪み、ねじれた人物像を描きつづけてきた。綺麗で心地よい表現も好きなのだが、本当に自分というのはどんな存在なのかと自身に問いかけるとき、こういう、ある意味社会にキバをむくような絵を描くことで何らかの答えのようなものを感じてきた。持病の統合失調症により濁りゆく意識の中、真っ白な画面に向かって刻むようにグロテスクな人体像を描き出すことでのみ、「きのうより新しい自分」というものを実感する瞬間を手に入れることができ、やっとクリアな気分になれる。このように描いている行為自体も重要であり、ゼロの状態から自分の納得できる人物や怪物像をダイレクトな描線をもって画面に定着することができたとき、わずかな安堵と共に独特な快楽が全身にゆきわたり、大げさに言えば明日に向かって歩くためのちょっとした自信のような感覚がわきあがってくるのだ。それが生きるための支えになっているのは間違いないだろう。


<<「現代画家」と名乗ることについて>>

米田 主税

最終更新日:2016年12月23日

私はいつも、もの(モチーフ)を見ずに絵を描いている。これは絵画の基本中の基本である「見て描く」事とは対局にある制作姿勢だ。 ものを全く見ないで描くことには大きなリスクもある。自分の中のイメージだけに寄りかかってしまうからだ。まずモチーフを見て 描くことが今までの画家の日常の姿であることは動かしがたい事実ではあるが、真に新しいものを生み出すために敢えてその冒険に 身を投じることはできないだろうか。全くのゼロから絵画を生産するということ、偶然性も含めて自分の手癖だけで構成された イメージに自分自身でおどろき、感嘆したいと思っている。
すると、どうしても抽象寄りになってくる。しかし、「抽象」だけで終わってしまってはいけないと思う。どんなに抽象的になっても、 画面に何らかの具体的イメージの残滓を出現させたい。
「正しい形」のつまらなさより、「デフォルメされ歪んだ形」のすばらしさを追求していきたい。
究極はラクガキの延長であることだ。学生時代に授業中、ノートや教科書に一心不乱に描きつづけていた ラクガキが私の芸術の原点であることに最近気付かされた。
ものを見て描くのが今までの画家の姿であるならば、リスクを承知の上で、見ないで描くことに挑戦したい。 その姿勢をとりつづけるために、「現代画家」と名乗ることはひとつのアクションであると私は思っている。
おそらくそう簡単には受け容れられないだろう。そこには覚悟が必要となってくる。それでも、 もう残された時間は決して長くはない。信念をもって取り組むことによって今までの「画家」のカテゴリーを超え、 真に新しい「絵画」を一刻も早く生み出したいと思いながら制作活動を続けている。