米田 透 短文集 2001年8月分
最終更新日: 2001年8月25日
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王侯の愛した大地秋の虹
出張者がパリ行きの電車に乗ったのを見送って、自分ができる仕事は一段落しました。後は残った人達にやってもらうしかありません。自分は引越しの方に注力しなければなりません。残る日々が少なくなるに従ってこの地方の雄大な景色が見れなくなることが残念に思えてきます。
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譲る物おおかた決まり秋日影
洗濯機とベッドは赤十字に寄付するという手があることがわかりました。こちらで最後の合気道の稽古に参加しました。記念写真を撮ってもらって恐縮しました。その後出張者二人をオルレアンで一番のフランス料理レストランに招待しました。経験によると、太るのは和食レストランの方です。
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部屋を見にフランス青年秋団扇
譲るものを割り振りましたが、はっきりしないのが洗濯機とベッドです。午後6時に一人部屋を見にきました。夕食は台風にもかかわらず出張してきた人のために和食レストランで寿司を食べました。
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帰国まであともう少し台風報
今日は夜6時に不動産屋のマダムがアパートにきゃくを客に見せにくるというので、少しはきれいにして待っていたら、客が約束をすっぽかしたようで、マダムも怒っていましたが引上げていきました。しかし、おかげで荷物の整理がはかどったので無駄はありませんでした。ところで、日本では台風が上陸して明日フランスに出張してくる人の飛行機が飛ばない可能性が出てきました。自分の帰任の時は台風はどうでしょうか。
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帰任後の予定が入り鱗雲
帰任後初出勤の日は歓迎会を職場でしてくれるとのことで、予定しておくように連絡が入りました。毎日帰任の方向へ流されて行くような気がします。ちなみにこちらでの送別会は8月8日にしてもらっています。
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死蔵物いくつか発見秋の風
今日は朝から晩まで引越しの準備で不要物を捨てました。収納の奥にもう一つのコーヒーメーカーなど意外な死蔵物を発見したりしました。引き取る人がいなければ捨てることになります。
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自由な日葡萄をつまみ碁三昧
今日は自由な土曜日で引越しの準備に当てていましたが、これまでの疲れが出たのか食べては昼寝というだらだらした日になってしまいました。引越しにはエネルギーがいりますね。
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買いすぎぬように買物葡萄買う
書類を捨てるのが仕事になっています。会社においてあった個人的な本の類をいったんアパートに移動しました。あと1週間でアパートを引き払うので、食料はむだにならないように買うことにしました。紅茶が切れましたが、ティーバッグにしました。
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停電ということもあり秋の雷
昨夜の雷雨のためでしょうか、朝会社に行ったら、停電で電話も使えなくなっていました。間もなく復旧しましたが、めずらしいことです。最近の会社での仕事は、書類の廃棄です。捨てても捨ててもなかなか減らないので往生します。今日の合気道の稽古には、弟子の奥様方が参画し、自分の夫に技をかける場面がありました。稽古終了後ロワール川沿いの中華レストランで会食となりました。
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みずうみに浮かぶ燈籠終戦日
祝日のため、パリのお寺に行きました。河口湖に燈籠を流す、水施餓鬼の法要の模様をビデオ録画で観ることができました。今日は非常に暑かったのですが、夜になって雷雨となってからやっと涼しくなりました。
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フランス語の戦争映画被昇天祭
8月15日はフランスでは聖母被昇天祭ということで祝日です。その前夜になぜか、「戦場に架ける橋」という古い映画がフランスのテレビで放映されました。日本の終戦記念日の方を意識したのでしょうね。
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整理する会社の書類終戦日
真夏が戻ってきたような陽気でした。潔く書類を捨てるのですが、その当時のことを思い出します。
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もの捨てて定まるこころ鰯雲
本棚にしていたカラーボックスを2個若者に譲りました。新聞・雑誌の類を大量に捨てました。
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初秋のパリゆっくりと時流れ
八月のパリはヴァカンスの張り紙をして休んでいる店が目につきます。お寺に修行に行きましたが、修行者も指導者もお休みが多く、のんびりした一日でした。
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ユーロ建新小切手帳秋の空
秋晴れのすがすがしい日でした。今日オルレアンの銀行に行って小切手帳を受け取りましたが、フラン建のものの他にユーロ建のものもくれました。世の中は着実にユーロへと進んでいます。
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初秋の男の宴DVD
同じく単身赴任している人のアパートに招待され、ざるそばを食べながら、DVDの映画などを鑑賞させてもらいました。他に独身の男二人も参加して男の宴でした。
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秋めくや次なる技は四方投げ
今日の合気道の稽古では、片手持ち四方投げ表・裏などを習いました。四方投げも合気道では基本の技だそうです。稽古の後はいつものごとく師匠宅で奥様から独身・単身者6人が栄養補給をしていただきました。
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記念品のソムリエナイフ秋涼し
会社の日本人の皆さんがもう一人の帰任者と私のために合同の送別会を和食レストランで開いてくれました。記念品としてソムリエナイフをいただきました。
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秋立つや残したいもの捨てるもの
昨夜から日本に送る荷物の整理にとりかかりました。横浜の自宅には自分の居住スペースがほとんどありませんので、なるべくものを持って帰らないようにしなければなりません。思い切ってものを捨てて新しい人生を始めることにしましょう。
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雲の峰譲る車を丸洗い
車は適正価格をつけて売って帰ることになっています。一週間アパートの地下駐車場の工事で外に駐車して置いたらだいぶ汚れてしまったので、40フラン奮発して自動洗車機にかけて丸洗いをしました。
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日本人に日本の薬夏の風邪
どうも風邪をひいたらしく、調子が悪いので、日本で買ってきた風邪薬を飲みました。7年半のフランス滞在で医者にかかったのは1回だけです。
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雲の峰ワイパー部品交換す
フランスは日本に比べてサービスに対価を払う習慣がありますが、逆に自分でできることは自分でやらないと生活していけません。車のフロントガラスのワイパーなどはスーパーで売られており、自分で交換するのが常識のようです。自分の車は売って帰るのですが、ワイパーのゴムがだめになったので、この際あきらめて交換しました。
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八月の一週終わりライスカレー
シャトーでもらったじゃがいもと人参を食べるためにカレーを作りました。シャトーでは90人分のカレーを作ったので一人分などあっという間に準備ができました。日本の食品メーカーのカレールーを使ったので、まさしく日本のカレーが出来上がりました。
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時差使い仕事進めて夏の月
日本とフランスの間の時差は、夏は7時間、冬は8時間です。一つの案件を日本とフランスで検討する時には、日本からフランスに「今日中に検討結果を送って下さい」ということがよくあります。時差があるので、結果は日本の翌日朝一番には届いているわけです。これは、日欧2極の例ですが、日欧米3極で共同検討をやるともっと時差を有効に使えます。
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晩夏光心のスイッチ帰任へと
今朝は車検の予約をしにプジョーのガレージに行きました。車を売るために必要のようですが、30分ほどで終わることになっているので、日本の車検と比べると必要最小限のチェックしかしないのだと思います。出向元の人事異動にも出ているし、夕食のご招待があったりで、にわかに帰任気分になってきました。
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日焼けして上には上のいるを知る
ヴァカンス明けで会社に行き、多少日焼けした腕を同僚と比較してみたら、彼のはゴルフで鍛えた筋金入りの日焼けで、赤みがかった生焼けの自分の腕では相手になりませんでした。上には上があるものです。
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緑陰に仰向きシャトー青い空
シャトーセミナーの最終日。芝生に寝転んで見上げるシャトーと青い空が印象的でした。サンドイッチの昼食を食べてあと、バス2台を連ねてパリまで帰る本隊を見送りました。残った人々と後片付けを2時間で済ませた後、シャトーの管理人さんが作ったジャムや野菜をありがたくもらってオルレアンへと帰ってきました。だいぶ肉体的に無理をしたので、運転中眠くてしかたがありませんでした。アパートにたどりつくと駐車場の入り口にテープが張られており、しかたなく、植物公園の脇に駐車しました。
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緑陰のバレー盲人サーブせり
シャトーセミナー4日目の午後は8チームに分かれてバレー大会が行われました。盲人の選手にはサービスだけをやってもらいましたが、目の見える人以上に正確に敵陣に入り、レシーブミスを誘う光景が幾度かありました。私がキャプテンに指名されたチームは3位でした。抹茶のサービスもありました。夕食はバーベキューで、じゃがいも人参玉葱にベーコンをアルミホイルで包んで焼いたものは美味でした。焼き鳥2種類、ソーセージ、メルゲーズを男だけで90人分焼きました。デザートは西瓜割の西瓜でした。
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夕涼みスペイン人の話聞く
シャトーセミナー3日目は、昼の食事当番に当たって以来、夕食のカレーの製作にも参画しました。日本のカレールーを使っていますが、ヨーロッパ人も日本式カレーライスがけっこう好きなようです。深夜まで質疑応答を行いました。フランス人とスペイン人の壮年グループに入りましたが、スペイン語はフランス語に近いのでフランス語をベースに話し合いが行われました。
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野外劇場喜ぶ村の子供達
ホテルの私の部屋は蜂が住んでいるのに加えて鍵の調子が悪くてもう少しで閉じ込められるところでした。シャトーセミナー2日目は、夜村人達との交流会でした。過疎化に抵抗している小さな村ですが、子供達も参加してくれて、本当に喜んでいましたので、うれしく思いました。ダンスは夜おそくまで続きましたが、徹夜の勢いの村人達に付き合い切れないので1時には私達は引上げました。
ホテルの部屋の問題は別の部屋に替えてもらうことで、一件落着しました。
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刺激せぬように一泊夏の蜂
シャトーセミナー1日目の夕食の時に皆が一言ずつ自己紹介しました。フランス語、ドイツ語、英語、イタリア語、スペイン語、日本語と色々な言葉が飛び交いました。オランダやスウェーデンの人達もいましたが、英語がよくできるので、オランダ語やスウェーデン語の通訳は不要のようでした。セミナーの宿泊は大部分の人はシャトーで合宿ですが、一部近隣のホテルに宿泊することになっており、私は今回もホテル組でした。今回は4人のうち2人が車を持っていたので、シャトーとの往復が楽でした。私の部屋は蜂がワンワン騒ぎ、窓を開けても外に出て行かないので弱りました。
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バカンスの前の残業夏旺ん
フランス人がめずらしく残業をしているときは、バカンスの前日ということがよくあります。かく言う私もバカンスの準備が何もできていないのに緊急の仕事があって、残業しました。
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以上