米田 透 短文集 2001年7月分
最終更新日: 2001年7月24日
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素麺の差し入れフランス八年目
親工場の労働組合から差し入れの素麺が到着し、厳密にはその工場からの出向者ではない私にも若干おすそわけがありました。もうすぐ帰国して素麺などいつでも食べられる身なので、多くは必要ありません。
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心にも基本の構え夏の空
武道にはそれぞれ基本の構えがありますが、最近思うに心にも構えがあるべきだと思います。禅で云うところの「空」といいましょうか、何物にもとらわれない心の構えが必要だと思います。
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短パンに素足の男女パリの駅
ヴァカンスシーズンたけなわのフランス、パリへ向かう列車の客も短パンと素足といったリラックスしたかっこうです。概してこの国の人々はリラックスするのが上手です。ヴァカンスというのは、どこかに行って何もしないでぼやっとしているということのようです。日焼けしないと肩身が狭いので、日光には当たる必要があります。
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夏草や独伊の側へ何ゆえに
昭和史をひもとくと、地方の貧困、陸軍等の青年将校等の世直し的政財界突き上げ、それを巧みに利用した一部のファッショ的勢力による軍国支配、中国への侵略とそれに伴う米国からの石油と鉄の禁輸・対外日本資産の凍結、等々破滅に向かって行ったことがわかります。もともと英米よりだったにもかかわらず、何ゆえにドイツ、イタリアと組むに至ったか、ドイツが英国を占領する勢いだったからでしょうか。このあたりのことが、よくわかりません。
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味噌で食うフランス胡瓜週末へ
フランスの胡瓜は日本の胡瓜と比べると数倍大きい感じがします。茄子、ピーマンも同様です。味噌をつけて胡瓜を生で食べるのはなかなかいけます。
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宝前にメロンの香り開祖の忌
今日は開祖の13回忌でしたが、今回は霊廟が完成したので特別でした。パリのお寺における夜七時からの衛星中継録画を使った法要に参加することができました。法要もグローバル化していますが、ネットワーク・マルチメディア技術を使って臨場感溢れるものになってきています。しかし、各国語の同時通訳は人間がこれからもやっていく必要があるような気がします。
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七月は常に誰かが休みおり
普通のフランス人は3週間連続の夏季休暇を取ります。これのできない男性は奥さんから離婚されかねません。7月、8月は交代で休みをとるので、この期間にはまともなビジネスディスカッションは無理です。日本人はお盆の時期に一斉に休む習慣があるのでこういう問題はないでしょうね。
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夕立がすっかりあがり退勤門
退勤時夕立が来たのでやり過ごすためにたまった回覧物を処理しました。フランスでも日本の新聞が即日読めるのでありがたいことです。印刷は現地でやっているようです。時々日本に帰って驚くことは、一般家庭に新聞が毎日配達されることです。夕刊まで配達されるので異常だなと思います。夕刊はそのうち廃止になるのではないでしょうか。
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妻からのメールの題は酷暑なり
フランスは秋になってしまったのかと思うほどの涼しさです。一方妻からのメールにもありましたが日本は酷暑だとか。帰任するのは良いけれど、夏はやはりフランスの方が快適ですね。
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盂蘭盆会ズッキーニの馬茄子の牛
パリのお寺の盂蘭盆会法要に参座しました。胡瓜の馬と茄子の牛の置物があるのが普通ですが、なぜかフランスでは、胡瓜の代わりにズッキーニが使われます。胡瓜では大きすぎるためかもしれません。馬は先祖が速く家に帰ってくるように、牛は先祖が家からゆっくりあの夜に戻って行ってもらうようにとの意味があるのだそうです。
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パリ祭にスペイン国王招かれて
今日はカトールズ・ジュイエと呼ばれるフランスの革命記念日で、祝日です。午前中シャンゼリゼでパレードがありましたが、あいにくの雨でした。シラク大統領は傘もささずにがんばっていました。今回はなぜかスペインの国王夫妻がマーチングバンドと騎馬隊を引き連れてゲストとなっており、壮観でした。
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夏の雨映画館へと足が向き
パリ祭の前日は会社の休業日だったので、銀行に行って私あての小切手を3枚口座に預け入れ、2か月ぶりに床屋に行きました。夜は、「Pearl
Harbor」というアメリカ映画をオルレアンの映画館で観ました。「パール・ハーバー」と言ってもフランス人の切符売りには通じませんでした。どうやら、「パラボー」というような発音でないと通じないようです。そんなことでフランス語力を心配されてしまい、この映画はフランス語版だけど大丈夫かと念を押されてしまいました。余計なお世話だと思うのですが、相手は親切に言っているんでしょうね。内容はラヴストーリと爆撃場面だったので、細かいところはわからなくてもけっこう楽しめました。
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酌み交わす冷酒本音の語り合い
日本から親工場の責任者が来訪しました。我々が合気道をやっている間、このお客さんはフランス文化遺産の探訪に行きましたが、夜は例の和食レストランで彼を囲む会を開きました。鯛の刺身、冷酒などいつもと違った豪華な食事になりましたが、結局このボスが払ってくれました。
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七月や若者達とパエリャ食い
新しく赴任してきた若者に使っていない簡易応接セット一組をゆずりました。彼は物流会社から借りた車を使って自分で運んで行きましたが、3人が手伝いました。その後、会社の若手独身日本人4人を案内して、スペイン料理の店に行き、パエリャなどを食べました。
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ソローニュの夏の夕暮鴉飛び
最近退勤時に鴉を多く見かけるようになりました。また野兎もはねています。
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契約の準備のさなか夏の風邪
フランスの夏は暑い日と涼しい日が交代するので、風邪を引く人も多いようです。そういう自分も不調だったので、風邪薬を飲んで出勤しました。よく効いたようで、不快な症状は消えました。
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七月の寺の静けさ涅槃像
今日は久しぶりにパリのお寺に行きました。ヴァカンスシーズンということもあって、修行に来る人がいつもの半分くらいでした。当番ではありませんでしたが、法要時のオーディオビジュアル関係の責任者を任されました。本尊の涅槃像の前の緞帳と紗幕のスイッチ操作も放送室から行います。
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胡蝶蘭音で学べる中国語
日本人にとって中国語はこつがわかってしまえば漢字の知識がある分だけ非漢字圏の人に比べて深く身につくような気がしてきました。まずは各漢字の読み方を覚えるのがポイントのようです。良い辞書をパリの日本文化会館で見つけましたが、買うのは帰国してからになってしまうかもしれません。
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夏休み子のEメールハワイから
マウイ島のアメリカ人宅に遊びに行った娘から、本当に楽しく過ごしているとのEメールが入ってきました。ハワイの地理を少し勉強しました。
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合気道試験合格夏燕
初めての合気道の試験(9級?)を受けました。課目は、臂力の養成1と2、正面打ち一か条抑え、手首持ち二か条抑え、後ろ両肘持ち入り身投げ、両手持ち天地投げ。力を入れないようには心がけたつもりでしたが、呼吸が充分にできていなかったようで、途中息切れして気が遠くなりそうでした。何事もやってみないことには本当のことはわからないものです。
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はかどらぬ帰任の準備雷雨来て
今日は朝から曇っていましたが、夕方から雷雨となりました。自分ともう一人の帰任予定者のための合同送別会の日取りが決まり、心の状態が帰任準備モードになってきました。中国語の勉強のCDを3枚聞きました。少し眠ってしまいましたが、経を覚える要領で毎日愚直に聴いていればその内暗誦できるようになるかもしれません。かんじんの帰任準備はなかなかエンジンがかかりません。
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冷房を入れずフランス八年目
フランスの夏は日本ほど蒸し暑くないので、一般家庭にクーラーはついていません。会社には必要に応じてついている部屋があるといった程度です。したがって、クーラーを入れることに抵抗を感じない日本人とフランス人の間で時々入れる入れないのやりとりがあります。部屋の照明についても同じことが言えます。フランス人はあまり明るいとまぶしいらしく、暗くしたがります。日本人の目は黒いので、生まれつきサングラスをかけているようなものなのでしょう。
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スーパーはヴァカンス気分西瓜
七月に入るとフランス人が待ちに待ったヴァカンスの始まりです。スーパーに行くと子供連れとか日焼けした人とか、いつもと雰囲気が違います。フランスでも西瓜が買えます。種類は色々で楕円体の形をしているのもありますが、今日はなじみのある球形の小さめのものを買いました。包丁を入れるとぶりぶりと自から裂け目ができました。
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中国語のCDを聴き夏の空
中国語というのは日本人にとって字の観点からは親しみがありますが、漢字の読み方からいうとほとんど勉強し直さないといけないという不思議な言語です。漢字の音読みがそのまま中国語の発音であったら話はずいぶん違うのですが。動詞の変化はないようですが、四声という高低アクセントがあるので、棒読みは許されないようです。
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PCの手入れと昼寝六月尽
今週は気を使うことが多かったので疲れが出ました。自然に昼寝となってしまいます。自宅のPCがよくハングアップするので、Windows
98の修復セットアップをしました。さあどうなるでしょうか。不要なファイルを削除したので、ハードディスクの空き容量が増えました。
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帰任までふた月あまり雲の峰
帰任まであと2ケ月となりましたが、仕事が一向に暇にならないので少々あせってきました。自分の帰任後のことを考え、関係しそうな人に必ず情報を送るようにしていますが、心配な点が多々あります。
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中庭にラヴェンダー咲き散らし鮨
合気道の後、例のごとく師匠宅で奥様の手料理をご馳走になりました。テラスのテーブルで飛行機雲をながめながら食べたちらし寿司は美味でした。庭にラヴェンダーに薄紫色の花が咲きその横に日焼けした男の顔がありました。
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ワイン出る契約交渉夏のパリ
ややこしい契約交渉をしにブローニュ(パリの西の端)に行きましたが、昼飯時に押しかけたものですから、サンドイッチを出してくれましたが、さすがにフランスの会社です。赤ワインもちゃんと出ました。
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ミシュランの星付きの店夏の川
オルレアンにも2軒ほどミシュランの星付きレストランがありますが、その内の一つ(ロワール川の右岸)に日本からのお客さんをディナーに招待して本格的ではありますが、比較的あっさりした料理をロワール渓谷の白ワインで食べました。フランス料理が二晩続いた割には平気でした。メニューをあらかじめフランス人の同僚に相談しておいたのが良かったようです。シェフにお任せといった中程度の値段のコースを選んでおけば間違いないようです。
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中庭にディナーテーブル虞美人草
今夜は日本からの若い女性の出張者とおじさん二人の計3人でオルレアンの大聖堂に程近いフランス料理のレストランに行きましたが、中庭のテーブルでなかなか暮れない空を眺めながらの粋なディナーでした。
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以上